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ねこと眠る箱庭

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短編箱  ~SSの溜まり所~

春、来たりなば。 (3)

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「いや、ごめん。本当に意味がわからないんだけど…」

少し垂れ気味の目が、さらに困ったように下がる。

「え。だって、美晴に告白されたんでしょう?」
「いや、されたけど。え、なんで、それで俺たちの別れ話に発展したの?」
「え?そういう話じゃないの?今の」
「どう考えても違うだろー…」

はぁ、と、ちょっと大げさにため息をついてから、
ベットから降りてきた創太が、目の前であぐらをかいて、私を、見据えた。
創太の家は、一人暮らしの小さなアパートだから、決して広くはなくて、
そうやって座ると、私の体は創太の膝の間に挟まれる形になる。

「俺は、単純に、報告しただけなんだけど」
「うん、聞いた。…てか、美晴から、聞いた」
「…なんて、聞いたの?」
「言い逃げしちゃった、って」
「あー…うん、確かに、若干された」
「で、明日もう一回返事聞きに行くって」
「うん、そんな感じのメール来た」
「だから、そういうことなのかな、って」
「いやいやいや、ちょっと待てって」

身を乗り出した創太の手が、
私の下にしかれたクッションにかかる。
私専用にと買ってくれた、緑色の、ビーズクッション。

「なに、美春は俺と別れたいの?」
「…そういうわけじゃ、ないけど…」
「じゃあ、なに?」
「…美晴、だよ?」
「なにが?」
「美晴だよ、もったいないじゃん。あんなに可愛くて良い子で」

わけがわからない、という顔を創太がするから、
私は言わなくていいことまできっと言い募っている。

「だから、なに?」
「私は、ミハルのできそこないの、ハルで。そんなの、どっちがいいかって言ったら、美晴に決まってるじゃん」
「決まってないでしょ」
「私なんか選んでたら皆に笑われるよ、美晴を振ってまでハルをとるなんて。おかしいよ」
「おかしくないよ」
「おかしいよ。後悔、するよ」
「しないし」
「なんで」
「だって、俺は、美春が、好きなんだから」



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