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ねこと眠る箱庭

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彩箱   ~色が題のSS~

アオイトリ

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アオイトリ



ふと気づいたら、
窓辺に青い鳥が止まっていた。
なんとなく指を差し出したら、ふわりと飛んでその指に止まった。
ちるちるちると鳴く声がかわいくて、
机の上に置かれたからっぼの鈍色の鳥籠の扉を開けたら、すんなりとその中に入っていった。
どうしようかと悩んでいる私と、どうかしたの?というようにおとなしく待っている翠の瞳。
ちるちるちる、と再度鳴いたのをきっかけに、私はその扉を閉めて鍵を架けた。
青い鳥は、当然だというように、くちばしで籠の枠をこつんと突いた。



目が覚めたら、特にいつもと変わらない朝だった。
突き抜けるような晴天、みたいな光が差し込んでいて、私はとりあえず洗濯機を回す。
枕元においてある、充電コードの刺さった携帯電話が、
メールの着信を告げるべく、緑色の光を発している。
それをあけることもなく、冷蔵庫にあまっていたハムを1枚そのままで食べて、
それから私は空を見上げる。
洗濯機が回り終わったら、布団も洗おう。
そんなことを考えて、そんなことを実行して、ぼんやりとのんびりと、すごして。
そうしてまた私は、眠りにつく。



またも窓辺に青い鳥がとまっていた。
白い窓枠にその青い姿は、まるで絵のようで見とれてしまう。
あれ?と思って振り返ると、籠の中には昨日捕まえた青い鳥がいる。
同じように見えるけど、兄弟かなにかだろうか。
昨日と同じように指を差し出したら、新しい青い鳥も、まるでそうあるべきもののように私の指に止まる。
ちるちるちる、と鳴くその小さな体を、籠に寄せた。
扉を開けると、おとなしく入っていって、もともといた青い鳥の真横に並んだ。
二つの体が、四つの瞳が、行儀よく私の方をむいている。
扉を閉めて鍵をかけると、とても満足そうに、まったく同じ声で、ちるちるちると鳴いた。



一昨日からずっと携帯の緑色のランプが点滅している。
目に痛いので、いっそ電源を切ろうかとも思うけれど、そこまでの勇気はなくてやめてしまう。
布団にくるまって、何も解決しない時間をすごす。
お医者様の言葉が頭をぐるぐるしていた。とりとめのない思考と、その間に入り込む夢。
たくさん眠っているはずの体は、ひたすら眠りを要求する。
そしてまどろむたびに、私は、とぎれとぎれに。

青い鳥の夢を見る。

鳥はどんどん増えていく。





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